リンヴォック®について

炎症が起こる仕組み

巨細胞性動脈炎患者さんの病変部では、一部のサイトカインが通常よりも増えています。サイトカインが免疫細胞の表面にある“受容体”という部分に結合すると、細胞核にシグナルが送られ、さらに多くの炎症性サイトカインがつくられます。それにより病変部でサイトカインが増えて炎症が起こり、動脈の炎症、巨細胞を伴う病変の形成などを引き起こしてしまいます。

サイトカインが増えて、炎症が起こります。 炎症を引き起こすシグナルが細胞核に伝わります。 イメージ図

リンヴォック®のはたらき

“JAK(ジャック)”は免疫細胞の中でサイトカインなどの受容体に結合し、炎症を引き起こす細胞内のシグナル伝達をコントロールしています。リンヴォック®はそのJAKに結合することによって、炎症を引き起こすシグナルが細胞核に伝わるのをブロックし、炎症を抑えます。

シグナルを伝える”JAK”にリンヴォックが結合します。 炎症を引き起こすシグナルが細胞核に伝わりにくくなります。 イメージ図

リンヴォック®の効果

リンヴォック®の服用により、巨細胞性動脈炎によって起こる動脈の炎症などを抑え、動脈の炎症によって引き起こされるさまざまな症状を改善することが期待されます。

リンヴォック®による治療は、ステロイドなどによる治療を行っても明らかな症状が残る巨細胞性動脈炎の患者さんが対象となります。

注)リンヴォック®の適応症は「既存治療で効果不十分な巨細胞性動脈炎」です。