リンヴォック®の治療について | 概要
リンヴォック®は
潰瘍性大腸炎の炎症反応を抑えるお薬です
炎症性サイトカインが過剰に作られることを防ぎます
リンヴォック®は、免疫細胞の中の「JAK」と呼ばれるタンパク質に結合するお薬です。JAKは、炎症性サイトカインが受容体と結合した後、サイトカインを作り出すなどの信号を細胞内に伝えるために重要な働きをします。リンヴォック®がJAKと結合することで、この信号を伝える仕組みがうまく働かなくなり、炎症性サイトカインの過剰な産生が抑えられます。その結果、腸粘膜の炎症は軽減され、つらい症状が改善されることが期待できます。
治療を開始する前に
リンヴォック®の治療を開始する前に確認しておくことがあります
リンヴォック®は、中等症～重症の潰瘍性大腸炎の症状を改善して、寛解を導入するために、また再燃を抑えて寛解を維持するために使用される「JAK阻害剤」と呼ばれるタイプの飲み薬です。
重大な副作用などを防ぐために、治療を開始する前に以下についてあらかじめ確認します。
- 過去にリンヴォック®に含まれる成分でアレルギー反応を経験したことがないか
- 感染症にかかっていないか
- 結核にかかっていないか
- B型肝炎ウイルスに感染していないか
- 静脈血栓塞栓症のリスクがないか
- 腸管憩室がないか
- 間質性肺炎を経験したことがないか
- 血液検査（好中球数、リンパ球数、ヘモグロビン値）で異常がないか
- 肝臓や腎臓に障害がないか
- 悪性腫瘍を経験したことがないか
- 妊娠していないか
- 授乳していないか
- 予防接種の予定がないか
など
治療を開始するにあたって必要な検査
リンヴォック®による副作用の発現を予防するために、治療開始前に、問診・診察に加えて下記の検査をおこなう必要があります
血液検査
B型肝炎ウイルスや結核菌に感染していると、リンヴォック®の服用によってB型肝炎ウイルスの再活性化や、結核の発症を引き起こすことがあります。これを防ぐために、採血をしてB型肝炎ウイルスや結核菌に感染していないかを調べます。
画像検査
胸部レントゲンやCTによって、結核を発症していないかを調べます。
リンヴォック®の治療を適切に続けるために、治療開始後も定期的に検査を受けるようにしましょう。