リンヴォック®を服用される患者さん向けサイトへのご案内

このホームページは、リンヴォック®を適正に服用いただくことを目的として、リンヴォック®を服用中あるいは服用予定の患者さん、また服用をサポートされる医療関係者の方を対象に、リンヴォック®の情報を提供しています。

  • 患者様・ご家族の方

    あなたは現在、リンヴォック®を服用されている、あるいは服用される予定がある患者さんですか?

  • 医療関係者の方

    あなたは医療関係者ですか?

リンヴォック® 潰瘍性大腸炎でリンヴォック®を服用される患者さんへ

  • HOME
  • リンヴォック®の治療について | 服用中に注意すべき症状・改善が期待できる症状

服用中に注意すべき症状
~こんな症状がみられることがあります~

リンヴォック®服用中に、以下のような症状がみられることがあります。症状に気づいたら、服用をやめて、すぐに医師に相談してください。

これらの症状は、以下のような副作用が原因で生じている可能性があります。いざというときに落ち着いて対応できるように、副作用の症状を知っておきましょう。

感染症

リンヴォック®服用により免疫の働きが低下し、感染症にかかりやすくなる可能性があります。予防のために、手洗いやうがいなどを心がけましょう。

主な症状
発熱、咳、だるさ、寒気、息苦しさ

静脈血栓塞栓症

血管に血のかたまり(血栓)ができ、詰まってしまう病気です。

主な症状
胸の痛み、足の痛み

消化管穿孔

消化管に穴があいてしまう状態です。腸管憩室や憩室炎になったことがある人は、消化管穿孔が起こりやすいため、必ず医師に伝えましょう。

主な症状
激しい腹痛、吐き気、おう吐、食欲不振

肝機能障害

主な症状
だるさ、発熱、食欲の低下、皮膚や白目が黄色くなる

間質性肺炎

吸い込んだ空気から酸素が取り込まれる肺胞の壁に炎症が起こる病気です。

主な症状
発熱、息苦しさ、から咳(痰を伴わない咳)

血液検査値の異常

血液中の好中球やリンパ球、ヘモグロビンなどの検査値に異常がみられることがあります。

主な症状
貧血(めまい、ふらつき)、感染症(発熱、のどの痛み)

悪性腫瘍

リンヴォック®の服用との関係は明らかではありませんが、臨床試験では悪性腫瘍がみられたという報告があります。

心血管系事象(コレステロール値の上昇)

主な症状
胸の強い痛み、突然の顔や手足のしびれ(片側だけに起こることも)、締めつけ感、脱力感

横紋筋融解症、ミオパチー

主な症状
筋肉痛、しびれ

腎機能障害

主な症状
だるさ、皮膚のかゆみ、食欲不振

B型肝炎ウイルスの再活性化

重篤な過敏症

骨折

服用中に注意すべき症状 ~帯状疱疹~

リンヴォック®服用中には、帯状疱疹にも注意が必要です。帯状疱疹とは、もともと体の中に潜んでいる水ぼうそうの原因となるウイルスによって起こる皮膚の病気であり、水ぼうそうにかかったことがある人なら、誰でも発症する可能性があります。

発生しやすい部位

  • 体幹( 胸・腹部・背中)

体の左右どちらか片側に帯状にあらわれ、痛みをともないます。

帯状疱疹の経過

発疹が出現する前から、身体の片側に帯状に「ピリピリと痛いような、かゆいような違和感」や「虫刺されのようなかゆみ」が起こります。これは帯状疱疹の初期にみられる「サイン」ともいえる症状で、この症状はだんだんと強くなっていきます。
症状がみられて数日~1週間のうちに、虫刺されのような赤い湿疹ができ、水ぶくれになることもあります。痛みの程度は、軽い人もいれば夜に眠れないほどの痛みを感じる人もおり、個人差があります。

初期の皮膚症状

痛みのおさまり方には個人差があります

受診して帯状疱疹と診断されたら、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬や痛み止めの薬を使用して治療をおこないます。
皮膚の症状がピークを迎えるのは発疹が出現してから7~10日ごろです。痛みは皮膚症状が治る頃にはおさまることが多いものの、痛みだけが残る場合もあります。痛みが強く、長引く場合には、ペインクリニックなどを紹介されることもあります。

早期発見、早期治療が大切です

帯状疱疹は、治療が遅れると発疹が拡大したり、痛みやしびれが残ったりすることがあるため、できるだけ早く治療することが大切です。治療は、発疹があらわれてから72時間以内に開始することが望ましいとされています。発疹の前にあらわれる「サイン」を見逃さず、気になる症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。

日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会編. ペインクリニック治療指針改訂第7版. 文光堂. 2023. P142-146

服用中に注意すべき症状 ~ ニキビ ~

リンヴォック®の服用中に起こる症状の一つにニキビがありますが、ご自身の判断で服薬を中止せず、医師に相談しましょう。

ニキビは発疹の出方で主に4種類に分けられ、対処法が異なります。

主なニキビの種類と基本的な対処法

※症状や合併症などにより違うお薬が使われることもあります。医師が患者さんと一緒に治療法を決定します。
林伸和 ほか: 日皮会誌, 127, 12: 1261-1302(2017)

ニキビの治療法は、症状や合併症などにより異なるため、医師が患者さんと一緒に治療法を決定します。

大人のニキビのでき方は思春期のニキビと同じですが、女性に多く、悪化の原因としてストレスや睡眠不足、不規則な生活、不適切なスキンケアなどが挙げられます1)
思春期のニキビは脂性肌で多くみられますが、成人では乾燥肌で多くみられます。乾燥肌では保湿は重要ですが、脂性肌ではニキビ治療薬による乾燥の副作用がない限り、保湿は不要です。肌の状態に応じて保湿を行うようにしましょう2)

1) Yang J, et al.: Front Public Health, 8, 450(2020)
2) 日本痤瘡研究会ホームページ ニキビQ&A https://www.ibmd.jp/zasou/qa.html#q19(2023年10月19日閲覧)

基本的なスキンケア

基本的なスキンケアとして、朝に洗顔、日焼け止めの塗布を行い、夜は洗顔と治療薬の塗布を行います。乾燥肌の方や、ニキビ治療薬によって乾燥の副作用が問題となる場合には、洗顔後に化粧水を加えたり、保湿剤を使用して保湿を行います。

林伸和: 薬局, 73, 6: 1826-1829(2022)

治療によって改善が期待できる症状

リンヴォック®を服用すると、大腸の炎症が抑えられることで、潰瘍性大腸炎のつらい症状が改善されることが期待できます。
また、服用を続けることで再燃を防ぎ、症状の改善した状態を維持することも期待できます。

リンヴォック®に期待できること

中等症から重症の潰瘍性大腸炎における症状の改善
(既存治療で効果不十分な場合)

  • 下痢や血便の頻度の減少
  • 腹痛の改善
  • 発熱やだるさの改善

症状が落ち着いている状態(寛解)の維持